映画「
築地ワンダーランド」を観てきました。
連日、築地市場の移転延期問題が報道されていますが、
私たちは市場のことをよく知りません。

この映画は、築地市場で働く人々の仕事ぶりを
とても丁寧に伝えてくれます。
文化人類学者のTheodore C Bestor教授が
築地の全貌がわかるまでに15年かかったとい言うシーンがありますが、
市場に関して、素朴な疑問を持っている私たちのいいナビゲーターになってくれます。
ふだん縁の下の力持ちである仲卸さんが語る言葉は、
どれもこれも名言集!! 誇りと気迫に満ちています。
観ているうちに、ああ、語るべきときを待っていたんだなと思いました。
仲卸さんは1人だと、「魚に対して特殊な能力に長けた人」ですが、
そこで毎日、膨大な情報がやりとりされ、市場という機能を持ったときに
「魚食文化」になりえるのですね。
しかも、こうして夜、ブログを書いている間も、
もう今日の仕入れが始まっているという
エキサイティングな生きた文化です。
全体を通して静かな抑えた演出で、市場の中を自由に泳ぎまわるようなカメラアイは、
「私」の目であるかのような錯覚に陥ってしまうほどです。
映画の後半で唯一、遠藤監督がご自身の感情を吐露するシーンがあります。
そこがたまらなく好きで、涙が出ました。
多くの人に観てもらいたいドキュメンタリー映画です。
そして、自分の仕事に手を抜いていないか?
誰に喜んでもらうためにこの仕事をしているのか?
生きる姿勢を突きつけられる映画でもありました。
いろいろな想いを抱え、映画の後は、立飲み割烹「三ぶん」でクールダウン。
刺身も、白子の天ぷらも、いわしの塩焼きも格別でした。

もう一度、観たい映画です。
映画を観る前に、周辺の飲食店をチェックしておくことをおすすめします!
映画を観て、この店に行きました!と
みんなでブログやFacebookに書いたら
2倍、楽しくなるはずです。