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炎昼の六無月東京喜多マラソン完走記

午前4時20分。目覚ましの10分前に愛猫アントニオにポンと頭をたたかれて、
2回目のフルマラソン挑戦の一日は始まった。
おとといのブログに「マラソンとアントニオは一切カンケイない」なんて書いてゴメン。

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▲日暮里・舎人ライナー足立小台駅から、会場へ向かう途中で一枚

六無月東京喜多マラソン コース
江北橋(スタート)→6.2km下流の掘北橋でUターン→
→江北橋を通過し、上流へ10.5485m→岩淵水門の先でUターン
→再び同じ道を戻り、江北橋(ゴール)
上記で1周21.0975km、フルマラソンは同じコースを2周する。

6月7日(日)東京の天気は、最低気温18℃・最高気温28.9℃・湿度49%
(Yahoo!の過去の天気を参照)。予想通り過酷なレースとなった。

アルバトロスからは、私と同じくフルマラソンにユウスケさんが、
ハーフマラソンには、初ハーフマラソンとなる杉さんご夫妻が出場した。
午前9時30分のスタート直前にユウスケさんを発見。
2人ともチームユニフォームを着ていた。
「暑くなるから熱中症に気をつけ、無事に完走しましょう」と誓いあう。
スタートして数mのところで、沿道から杉さん夫婦が手を振ってくれ、
「いってきまーす」「がんばってください」と元気に手を振り返す。

ユウスケさんとは、目標タイムが同じ4時間30分。
一緒に走りましょう!ということになった。
旅は道連れ。42.195kmの旅のはじまり、はじまり。

今回の大会で戸惑ったのは、2kmごとにあるはずの
距離表示がどこに設置されているのか分からないところが
数箇所あり全部で14回しかLAP計測ができなかった。
(時計は距離表示のあるガーミンではなく、軽量のTIMEXを着用)

前半は予定よりオーバーペース気味。
4km  21:30
6km  32:08
10km 55:30

「少しペースを落としましょう」と話し合う。
ユウスケさんとは、走るペースがほぼ同じなので、
併走していて無理がない(と、私は思っていた)。
「緑がきれいですね」「風が気持ちいいですね」などと、
ときどき短い会話を交わしながら並んで走ることができた。
考えてみたら4時間30分もあれば、都内の自宅から
新幹線のぞみに乗車して岡山に到着してしまうほどの長旅だ。
短い会話が、炎昼マラソンの清涼剤のように効いてくれたと思う。

だんだん気温が高くなり、少し疲れてきたときに
「暑いから、ハーフからがスタートと思って走りましょう!」とユウスケさん。
さすが、根性あるなぁ。

今日のコースは、ハーフを2周という設定なので、
21.0975km地点を通過しても、それ以降の距離表示は加算されない。
また2km、4km、6kmという表示を見て、
走りながら暗算するのは、なかなか難しかった!

もう一つ、清涼剤のようになったのが杉さんご夫妻の存在。
Uターンしてランナーがすれ違う道が2箇所あったので、
杉さんご夫婦を見つけて声をかけるのも楽しみになった。

荒川サイクリング道路の一部でもあるコースは、広々としていて気持ちいい。
東京とは思えないほど空が大きく、絵に描いたような白い雲が浮かび、
川沿いの緑地では、少年たちがサッカーや野球やアメフトをしていた。
太鼓の練習をしているグループ、バーベキューをする家族、
配食を待つ労働者など、さまざまな人がさまざまに川を利用している。
マラソンをしていなければ、一度にこんな風景を見ることもなかったと思う。

ハーフ地点 2:05

幸いなことに湿度は思ったより低く、風が吹くと気持ちいい。
ハーフを過ぎた最初の給水所では、氷入りのスポーツドリンクが出て
勢いよく飲んだ。カラダにしみわたっていくのが分かる。生き返った!

この時点で前回の4月29日のハーフのときより、
ずっとコンディションがいいことに気がついた。
足にマメもできていないし、思考回路もはたらいている。まだまだ走れる。
このペースを維持できれば、4時間30分は切れるが
後半ペースダウンすることを考えるとギリギリというところ。

正午すぎから草いきれのにおいも変わり、気温が高くなってきたのが分かる。
野球チームも次々に試合をおえ、反省会や記念撮影をしていた。

暑さで怖いのは熱中症や日射病と、大量に汗をかき
ナトリウムが失われケイレンが起こりやすくなることだ。

途中水がなくなってしまった給水所があったが、
ランナーの数に対して、ボランティアさんの数が少ないので、
そうなるだろうなぁと走りながら話していたので、
心理的な動揺は最小限に抑えられた気がする。
わき道に外れて公園の水道で水を飲んだ。

ケイレンは突然起きるから、
こまめにストレッチをした方がいいと申し合わせ、
給水所ではストレッチをして、コップ1杯の水を飲み、
もう1杯は首筋を冷やすのに使った。

ユウスケさんと併走したまま25kmを通過。
同時ゴールもあり得るかもしれないと思った矢先、
ユウスケさんの足音が突然変わり、ズッズッと砂地をこする音がした。
ペースを落とし、お願いだから追いついてください!と
心の中で声をかけながらも前に進む。
振り返ったらユウスケさんの頭が見えたので、
倒れたわけではないんだと安心して、ひたすら走り続けた。
Uターンしてすれ違うときに
「足にきましたか?」と声をかけると、
「もう、だいじょうぶ」と、ユウスケさんはオーケーのサインを出す。
後から聞いたら、両ふくらはぎにケイレンを起こしていたという。
かなり辛かったのではないだろうか。

さっき伴走してきた道も、一人だと果てしなく思え、
給水所でリカバリーにかかる時間もだんだん長くなってきた。
でも、エネルギーが体のなかに残っているのが分かる。
抜かされるよりも追い越すことが多くなってきた。

ただ、30km過ぎから暑いのに少し寒気を感じていて、
体温調節機能が低下しているよくない兆候だと思い、
もう少しがんばってピッチを上げてみたい気持ちと、
無理をして倒れたら大変だというジレンマに苛まれた。
3時間台でゴールするランナーとすれ違うようになり、
彼らがとても恨めしく思える。

目標タイムのクリアは難しいことが分かってからは、
タイムを縮めることだけを考えようと、気持ちを切り替えた。

最後のUターン地点を過ぎ、残り4.3485km。
走っているときはここまで詳細な距離は分からなかったが、
皇居1周くらいだろうと思うとエネルギーがわいてきた。
携帯していたスズメバチエキス入りの栄養ドリンクを飲み、
「もうひとふん張り」と何度も言い聞かせてゴールを目指す。

ユウスケさんとも再びすれ違い、ハイタッチをして
「がんばりましょう!」と励ましあう。

ペースは落ちているが足は予想よりも高く上がる。まだ走れる。
ピッチを上げようと意識すれば多少上がるが、意識しないとすぐに落ちる。
上がる、落ちるを繰り返して、残り2kmというところまで来た。
テーピングのおかげか、いつも痛くなる右足の足裏は痛みが出ていない。
「ゴールまであと1km」の表示が見えたときは、安堵感でいっぱいになった。

ゴール 4時間42分05秒

完走証がすぐに発行され、
フルマラソン女子 29位(エントリー164人中)
と書いてあった。男性は1400人以上がエントリーしていたので、
競技人口の少ない女子の部は、有利だと思うが、
この順位には、じんわりと泣けた。

少し休んでからゴール手前でユウスケさんを待ち、
「あと少しー」と声をかけ、
サングラスを外してゴールする瞬間を見た。

完走したとたんに倒れ込む人がいたり、
救護室には救急車がきたりと、ものものしい雰囲気だったので、
チームメイトとともに無事完走できたのは、大きな収穫だと思う。
炎昼の六無月東京喜多マラソン完走記_d0122797_085027.jpg

▲会場から無料送迎バスに乗り、赤羽のスーパー銭湯「カッパ天国」へ。
そこでようやく記念撮影。ゴール直後は余裕がなかった。

「走れるカラダ」になってきたという成長を実感するとともに
次への課題も見えた2回目のフルマラソン。
過酷なレースに出て、マラソンが嫌いになったら
どうしようかと思っていたけど、そんなことはなかった。

少し休んで、また元気に走り続けよう。


※応援してくれた皆様、主催者やボランティアの皆様、
どうもありがとうございました!
Commented by at 2009-06-09 00:52 x
お疲れさまでしたー♪
あの炎天下の中での快走、すれ違うたびに
元気をもらいました。
あの後、我々は日暮里の馬賊で、ラーメンと
餃子を食べ、前日から続いた、
過剰炭水化物摂取を、締めくくりました。。。
Commented by shukas at 2009-06-09 02:13
♪杉さま
おつかれさまでした。こちらこそ元気をいただきました!
昨日より暑い大会はないと思います。
日暮里は未開拓ゾーン。杉さまのブログを頼りに
今度食べにいってみたいです。
Commented by ken2 at 2009-06-09 08:48 x
読ませてもらいました。
フルマラソンって、体力のほかにメンタルもハードなんですね。
読んでいて、こちらもドキドキしてしまいました。
最後に、晴れやかな笑顔の写真があり、嬉しくなりました。
おつかれさま(^ー^)ノ
Commented by ららこ at 2009-06-09 12:58 x
shukaさん お疲れ様でした!
2回目のフルも難なくこなしてしまったあなたに感動しています!
なぜ、高校時代は陸部の『マネージャー』だったのでしょうか???
あれから〇〇年が過ぎた今、当時の選手に勝るとも劣らないあなたの
この記事を読んでいて「ファイトォー!」の熱が出てきました。
マネ子が必要になったら呼んでくださいませね^^)
Commented by ららぱぱ at 2009-06-09 23:13 x
完走おめでとう!この暑さの中でよくぞ頑張ったね!しゅかさんのブログを読んでいるとこっちも走ってみたくなります。が、先週半年振りにジムに行き30分ほど走ってみたら最後に意識が遠くなり倒れるところでした。まだまだ体力つけないとマラソンデビューなぞ夢のまた夢。。。そんなこの頃です。
Commented by shukas at 2009-06-10 01:31
♪Ken2さま
マラソンは、体力、技術、精神力のバランスだとよく言われます。
走りきろうという精神力がなかったら無理な距離なんだよね。
そこが面白いところ。これからも走りま~す。
Commented by shukas at 2009-06-10 01:33
♪ららこさま
最高にうれしいコメントをありがとう。
ほんと、なんでマネージャーやってたんでしょう(笑)。
いまは携帯でマネージャーに電話でサロメチール持ってきて、とか
電話しているんだよ。ぜひ一度アルバトロスに遊びにきてね。
あの「ファイトォー!」を響かせましょう。
Commented by shukas at 2009-06-10 01:36
♪ららぱぱさま
私のブログみて、走りたくなったなんてスゴイ。いつでも大歓迎ですよ。いいマネージャーがついているので、マイペースでぜひデビューしてください。夏は暑いので、秋からスタートということでどうでしょ。
by shukas | 2009-06-08 23:59 | はしる | Comments(8)

フードライター大久保朱夏の暮らし


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