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「キャラメルをおひとつ、どうぞ」

最近、頻繁に仕事の電話をかける会社がある。
その会社には、いつもドレミファソラシドの「ラ」の音階で発声し、
電話を取り次いでくれる女性(推定40代後半~50代前半)がいる。
「はい、(会社名)です。いつもお世話になっております」
「少々お待ちくださいませ」
1日に何度も電話をかけることもあるのに、こんなお決まりのやりとりも
常に新鮮で春のような声が心地いい。何より声色が奥ゆかしい。

はるか昔、受付秘書&営業事務として働いていた頃、
先輩から「電話対応は会社の顔」と言われたことを思い出す。
本当にその通りだと思う。

その会社に今日おじゃましたら、
「春のような声の人」が若草色のセーターを着て
「キャラメルをおひとつ、どうぞ」と、コーヒーと一緒にキャラメルを出してくれた。
「実は息子の手作りなんです」と言う。「息子さんの!」
どうして?なんのために?と質問したいことがたくさん浮かんできたのに、
その方はコーヒーを出すと、さっと席に戻ってしまった。
「キャラメルをおひとつ、どうぞ」_d0122797_21135.jpg


キャラメルの焦がし加減が上手で、作り慣れている印象。
男のキャラメル、それだけで十分かっこいい。
今日はいいことあったなぁ、なんて考えながらの帰りの電車。
隣の席に座っていた2人の女子高生が、バレンタイン話をしていた。
「どうしてチョコ、あげないの?」
「どうせ告白してもだめだから、バレンタインのことは忘れとく」
「えーっ、一緒に手作りしようよ。あきらめるからダメなんだよー」
こんなカワイイ恋話を聞き、チョコレートキャラメルのレシピが
のっているお菓子の本が家にあることをふいに思い出す。

「ラブおばさんのお菓子作り」(城戸崎愛著)という本で、
小学生から高校生まで愛用し、いろいろなお菓子を作っていた。
奥付には初版昭和57年とあり、定価は1800円。
かなり高額な本だったに違いない。親に感謝。
さっき帰宅し、数年ぶりに本を読み返してみて、
今年のバレンタインは手作りしてみようかな、なんて気持ちになる。

ひと粒のキャラメルが、思い出の箱を開いてくれた。
by shukas | 2009-02-02 21:15 | つぶやき | Comments(0)

フードライター大久保朱夏の暮らし


by shukas
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