掃除をするおかみさん
2007年 06月 16日
料理雑誌の撮影が順調に進んでいる。
たいてい撮影を行うのは、3時から5時までのランチとディナーの間。
お店の舞台裏が見える時間帯ともいえる。
ある割烹料理屋で撮影をしていたら、
おかみさん自ら床の拭き掃除を始めた。
バケツを置き、ぞうきんをかたくしぼって力を込めて拭いていく。
床は石でできているのだから、モップでもよさそうだが、
数枚の雑巾を使いまわして、慣れた手つきでふきあげる。
顔を床につきそうなくらい近づけ、磨き具合をみる。
一緒に床掃除を手伝わせている、まだ10代の弟子の
至らぬ点をピシャリと指摘。
「やる気がないなら帰っていい」と。
一流の店は、掃除が行き届いている。
花瓶敷きもめくって、ほこりをふきとっていた。
掃除に魂がこもっているような気迫を感じ、
私は軽いショックを受け、
帰宅後、玄関と台所の床のふきそうじをしてしまった。