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82歳のおじに、冷凍おかず(つまみ)を送る

広島・尾道に82歳で独居のおじ(亡父の兄)がいる。
東京でフリーの映画監督をしていたが、
介護で尾道に戻り、20年近く介護をして自分も年老いた。
本当は東京に帰るつもりだったが、テレビ関係者や映画人が引退し、
人脈が途絶えてしまい尾道にいる。

2月に行った白内障の手術がうまくいかず、目が不自由。
比較的近いスーパーがこの2、3年で軒並み閉店し、頼みの綱の駅前のデパートが緊急事態宣言で休業になった。
近所の商店が、ときどき弁当や総菜を届けてくれるが、緊急事態宣言で御用聞きもなくなった。
郊外のスーパーまではタクシーで20〜30分かかるので億劫になったと言う。
コンビニの弁当や惣菜は買う気持ちになれないそうだ。

数ヶ月前から冷凍おかずを送ろうと思ってはいたのだけど、
好物も嫌いな食べ物も知らず、おじの食生活をまったく知らないので
どんな料理なら喜ぶのか想像できず、時間ばかり過ぎていた(ごめん!)。
試作したグラタンが美味しくて、自分で食べたりしていた(ごめん!)。
私自身、おかずを冷凍する習慣がないため、
冷凍というだけでハードルがあった(仕事で多少の知識はあるのに!)。

あるとき電話で、おじに食べたい物を聞いてみることにした。
ホゴ(カサゴ)の煮付け、チダイの塩焼きと、瀬戸内海らしい魚料理が挙がった。
昔は、ステーキをよく食べていたが、
歯が悪いから国産牛肉薄切りの塩、こしょう炒めを作り、日本酒のつまみにしているそうだ。
手の込んだおかずよりも、素材を焼いたり炒めたりしたものでいいと思うと気が楽になり、
翌日スーパーに食材を買いに行った。

こちらが初めておじに送ったおかず(冷凍にしてからヤマト運輸の冷凍のクール便で送付)
・鯛の塩焼きのほぐし身
・牛薄切り肉の塩、こしょう炒め
・牛肉炒めの焼き汁に水を入れ、にんじんと車麩をやわらかく煮たもの
82歳のおじに、冷凍おかず(つまみ)を送る_d0122797_17343277.jpg
おじは気難しい性格で「余計なお世話」と遠回しに断ってくる可能性もあったので、割高だけど3品だけ。
私は知恵を絞り「高齢者に喜ばれる冷凍おかずの本を作ろうと研究しているので、
試食して意見を聞かせて欲しい」と手紙を書いた(これは架空の企画です)。

大きな文字で「試食のお願い」と書いた手紙が功を奏したのか、
監督気質のおじは、はりきって意見を聞かせてくれた。

実は、鯛は2切れ分をぎゅうぎゅう押し込んで小さなタッパーに入れて送ったのだが
1度に食べ切れないので、この半分がよかったと言う。鋭い。
(大根おろしにしょうゆをかけたものを添えて食べたらしい)

牛肉は塩、こしょうだけでは少し物足りないかと思ったので、
にんにく1/2かけで風味をよくしてみた。
昨晩、おじから電話があり、「自分が作ったものと、焼き加減も塩加減もまるで同じ」と喜んでくれた。
にんにくで風味をよくしておいてよかったのだろうと思う。

部分入れ歯で噛みにくいので、できれば、もう少し薄切りがいいと細かいことも言ってくれる。
「しゃぶしゃぶ肉を焼こうか?」と言ったら「それでは物足りないな」と正直だ。
次は炒めず牛丼の具を送ってみようと思う。

おじの食生活も垣間見えた。

朝はパン、牛乳、バナナ
昼はおにぎり
夜は日本酒のつまみ(酒はコップに1杯程度。酒屋は近所にあるらしい)

尾道駅前のデパートが再開するまで
ときどき冷凍で日本酒のつまみを送ってほしいと
おじの方から言ってきた(昨年ならそういうことは結構と断ってきたと思う)

昨年まで疎遠だったおじの食生活に「するり」と入り込めただろうか。
第2便のおかずも冷凍し、準備したので改めて紹介する。

・食生活や嗜好は、住んでいるところに影響を受けること
・好物から送り届けると喜ばれる
・炒める、焼くとシンプルなものでもいい
・おじが食べたいものは日本酒のつまみ

このあたりが初回の学びになった。








by shukas | 2020-05-05 18:03 | つくる | Comments(0)

フードライター大久保朱夏の暮らし


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