認知症の母の「本質」が見えた瞬間
2017年 04月 26日
表情が明るく、声色も高く、穏やかな表情をしていました。
イキイキしています。
以前は、フテニャンみたいに、目が三角だったのに!
往診にきた園田先生に対しても「立ってないで座ったら?」という
気遣いがあり、その態度に先生はびっくりを通り越して感動していました。
施設の庭の八重桜が満開でした。
「写真を撮るよ」と声をかけたら帽子をとりました。
母は帽子に執着があるので、自分から帽子をとることは、めずらしく
「帽子をとって」と促しても意味がつうじなかったり、私の物をとるなと不機嫌になっていたのに、
白いシャツに水色のスカートを履いていた私を学生と勘違いし、
「朱夏さん、大学でどんな勉強をしているの?」と言うのです。
洋服を見て大学生と判断したのでしょう。
いろいろと驚くことの連続でした。
母に合わせて「文学科です」と答え、
「できるだけ早く好きなことを見つけることよ」と
これはいかにも母らしい言葉でした。