それは突然に。母が化粧をした
2016年 02月 01日
「朱夏さんは、肌がきれいだね」
「そう?ありがとう」
「肌そのものがきれいよ」
「あら、ありがとう。褒められたらうれしいよ」
こんなやりとりを何度か繰り返した後に、母が突然
「私の顔、どんなか?鏡を見てくる」と言って洗面所に歩いていきました。
「だって人の顔は見えるけど、自分の顔は見えないじゃない」
これは初めての流れ!
認知症の周辺症状に「鏡に映った自分の顔が分からなくなる」というものがあります。
確かに、スマフォで撮影した母の顔を母に見せたとき、
「だあれ?この男みたいな人」と言ったことがありました。
「ママは自分の顔が分からないみたいよ」と妹にラインをしたのを覚えています。
9月から入浴後と朝の洗顔後、化粧水をつけてもらう、リップをつける。
まず、これに慣れてもらいました。
次は、ドライヤーで髪を乾かした後、自分で髪を整えてもらうようにしていました。
その次に、顔や髪については毎日、何か褒めるかコメントしていました。
「年齢の割りにはシワがない」
「今日は肌色が明るい」「髪にハリがある」「髪にツヤがある」
嘘にならないことを繰り返し伝えるようにしていました。
鏡を見に行った母は、じーっと自分の顔をみて黙っているので、
「イヤだったらすぐ拭き取るから、口紅塗っていい?」と言ってみたら、
「いいよ」と言うではありませんか!
ローズ系の口紅をつけ、眉毛カットをして、眉も書き足しました。
いままで化粧はべたべたするからイヤ!自然でいい!と拒否が強かったので
もう化粧をすることはないだろうと思っていたんですが、
口紅を塗ると、「あら!いいじゃない」と穏やかに言います。
落ち着きもあったので「ファンデーション塗っていい?」と聞いたら、
いいと言うので、こっちがあわててしまいました。
下地とファンデをとりにいき、気が変わらないうちに塗ってしまいました。
化粧をした母の顔を見たのは何年ぶりだろう?
こんな日がこんなに早く、しかも突然くるなんて。
「3~4歳は若く見えるわね」と客観的に化粧前と化粧後を比べる発言がありました。
「みんなのところに行ってどう?と顔を見せてみたい」
「もう71歳と思っていたけど、まだだいじょうぶね」
「もう少し明るい洋服をきてもいいかな」
「ははーん、だからみんな化粧をしているのか」
「写真を撮ってみて」とか、いままで聞いたこともない言葉がたくさん出てきました。
習慣に組み込めば、こっちのもんです。
入浴後「あー。からだも心も気持ちいい」と言って寝てくれました。
MOYU と申します。
71才まだお若いです。
少しでも進行が遅れるといいですね。
私も両親介護てす。
父が認知症要介護5でね。
またお邪魔致します。
MOYU