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久松達央『小さくて強い農業をつくる』を読んだ!

「この人と同じ時代を生きていてよかった!」と、
心の中で密かに思っている方が何人かいる。
その一人が久松農園の久松達央さんだ。
ああ、とうとうブログに書いてしまった。
久松達央『小さくて強い農業をつくる』を読んだ!_d0122797_23144632.jpg


おいしい野菜が食べたくて、ネットでいろいろ検索し、
「食べたものがあなたになる」という久松さんの言葉に直感的にひかれ、
野菜の定期便をとりはじめたのは7年くらい前になるだろうか。

久松さんの野菜が好きで、
ブログにこんな料理を作りました!とアップし、
久松さんがコメントをくれるようになる。
私も久松さんのブログにコメントをする。
そんなお付き合いが続いていた。

実際にお会いしたのは2011年の東日本大震災後。
スタッフを雇うかどうか迷っているという話を
冷えきった軽トラックの中で聞いた記憶がある。
「一人では限界がありますよ。絶対雇ったほうがいい」と言った
その直後に伏見友季ちゃん(現農場長)が現れた。

久松達央さんの2冊目の著書『小さくて強い農業をつくる』(晶文社)には、
一流企業を辞めて脱サラで農業を始めてから今日までのことが書かれている。
それは「歩み」なんて響きの生やさしいものではなく、
もしかしたら農業なんて向いてないのでは?という
ヒリヒリとした焦燥感や挫折感、
煮えたぎった農業への情念が入り乱れ、震動が伝わってくる。

一番驚いたのは、定期購入をやめていった
お客様のお名前を記録に残しているというくだり。
悔しさと申し訳ない気持ちを長い間引きずり、
お客さんに喜んでもらおうと、鼓舞していたのか。

恋愛で男性は昔のカノジョをフォルダ分けし、
思い出をとっておき、女性は新しいカレシができると
上書きしちゃうなんて話がある。
久松さんは男性の典型例ではないか!
確かに直販の生産者とお客の関係も「恋愛」に近い。
昔のカノジョをいまでも喜ばせたいという欲求があったとは。
これは発見だった。

(前略)そういう作り方ができることが、直販農家の面白さであり、
小さい農業の武器だと思っています。
だから、お客さんからも、栽培からも絶対に逃げてはいけないのです。
そこがやっつけになった瞬間から、仕事の劣化が始まります。
~本文・P213より~


そう、仕事は誰を喜ばせるか!ということが大事だ。
逃げてはいけない。劣化という言葉も突き刺さる。

「あとがき」は名文。
泣けてしまうのである。
久松さんはオンナを泣かせる引用の魔術師だ。

いまをおそれずに生きようと背中を押してくれる一冊。

P181に私のことも書いてある!

気になった方は、ご一読を。
農業に興味のない方は、「あとがき」をはじめに。

巻末の「それでも農業をやりたい人のための100冊」は、
将来、農業を志す人にとっての地図になるはずだ。
by shukas | 2014-11-27 23:16 | かんがえる | Comments(0)

食のクリエイター&ライター大久保朱夏の暮らし


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