久しぶりに気に入った作家さんを見つけました。
『戸越銀座でつかまえて』星野博美著 朝日新聞出版。
40代前半の非婚だったり、子どもがいない女性の生きずらさをひりひりと書いています。
ひねくれものの道を選んで苦労して、不器用で。
どこかは自分と同じで、あるところはあまのじゃくな友達のような感覚で読んでいました。
猫の死をきっかけに、いろいろなバランスが崩れ、
戸越銀座にある実家に戻るんです。
浮遊して生きていたのにだんだんといまの自分を受け入れて視線が変わってくるのを見守りながら読めました。
「そこにはいつも、猫がいた」の章をうっかり山手線で読んでしまい涙と鼻水が。。。
日頃からの観察眼が星野博美さんの魅力です。
後半は東日本大震災直後の戸越銀座の日常が描かれていて、記憶がいろいろ蘇りました。