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それは突然に。母が化粧をした

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夕食後、食卓をはさんで事務仕事をしている私に向かって、
母が何度もホメ殺しをしてきました。
「朱夏さんは、肌がきれいだね」
「そう?ありがとう」
「肌そのものがきれいよ」
「あら、ありがとう。褒められたらうれしいよ」
こんなやりとりを何度か繰り返した後に、母が突然
「私の顔、どんなか?鏡を見てくる」と言って洗面所に歩いていきました。
「だって人の顔は見えるけど、自分の顔は見えないじゃない」

これは初めての流れ!
認知症の周辺症状に「鏡に映った自分の顔が分からなくなる」というものがあります。
確かに、スマフォで撮影した母の顔を母に見せたとき、
「だあれ?この男みたいな人」と言ったことがありました。
「ママは自分の顔が分からないみたいよ」と妹にラインをしたのを覚えています。

9月から入浴後と朝の洗顔後、化粧水をつけてもらう、リップをつける。
まず、これに慣れてもらいました。

次は、ドライヤーで髪を乾かした後、自分で髪を整えてもらうようにしていました。
その次に、顔や髪については毎日、何か褒めるかコメントしていました。
「年齢の割りにはシワがない」
「今日は肌色が明るい」「髪にハリがある」「髪にツヤがある」
嘘にならないことを繰り返し伝えるようにしていました。

鏡を見に行った母は、じーっと自分の顔をみて黙っているので、
「イヤだったらすぐ拭き取るから、口紅塗っていい?」と言ってみたら、
「いいよ」と言うではありませんか!
ローズ系の口紅をつけ、眉毛カットをして、眉も書き足しました。

いままで化粧はべたべたするからイヤ!自然でいい!と拒否が強かったので
もう化粧をすることはないだろうと思っていたんですが、
口紅を塗ると、「あら!いいじゃない」と穏やかに言います。

落ち着きもあったので「ファンデーション塗っていい?」と聞いたら、
いいと言うので、こっちがあわててしまいました。
下地とファンデをとりにいき、気が変わらないうちに塗ってしまいました。

化粧をした母の顔を見たのは何年ぶりだろう?
こんな日がこんなに早く、しかも突然くるなんて。

「3~4歳は若く見えるわね」と客観的に化粧前と化粧後を比べる発言がありました。
「みんなのところに行ってどう?と顔を見せてみたい」
「もう71歳と思っていたけど、まだだいじょうぶね」
「もう少し明るい洋服をきてもいいかな」
「ははーん、だからみんな化粧をしているのか」
「写真を撮ってみて」とか、いままで聞いたこともない言葉がたくさん出てきました。

習慣に組み込めば、こっちのもんです。

入浴後「あー。からだも心も気持ちいい」と言って寝てくれました。

Commented by moyuoji at 2016-02-02 18:10
はじめまして。
MOYU と申します。
71才まだお若いです。
少しでも進行が遅れるといいですね。
私も両親介護てす。
父が認知症要介護5でね。
またお邪魔致します。
MOYU
Commented by shukas at 2016-02-03 17:13
>MOYUさま コメントありがとうございます。初めまして。ブログも拝見いたしました。猫も三味線(沖縄の三線ですが)も好きなので感激いたしました。母は要介護4です。励ましありがとうございます! ご両親の介護なのですね、気が抜けませんね。私もブログにおじゃましますね! どうぞよろしくお願いします。
Commented by shukas at 2016-02-03 17:13
>MOYUさま コメントありがとうございます。初めまして。ブログも拝見いたしました。猫も三味線(沖縄の三線ですが)も好きなので感激いたしました。母は要介護4です。励ましありがとうございます! ご両親の介護なのですね、気が抜けませんね。私もブログにおじゃましますね! どうぞよろしくお願いします。
by shukas | 2016-02-01 23:21 | つぶやき | Comments(3)

フードライター大久保朱夏の暮らし


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